1 データセンターの誘導雷被害
STEP 1: 事象の切り分け
施設への直撃雷ではなく、1.5km離れた地点への落雷だったため、直撃雷や逆流雷ではなく誘導雷による被害の可能性が高いと判断。
STEP 2: 被害パターンの分析
被害が電源系ではなくLANポートに集中していたことから、通信線側へのコモンモードサージの侵入が疑われた。
STEP 3: 根本原因の特定
調査の結果、通信線用SPD(クラスIII、信号用)が未設置であり、電源系にはSPDがあったものの、LAN配線には保護対策がなかったことが判明。
STEP 4: 対策
全てのLAN配線の建物侵入口に通信用SPDを設置し、機器ラック単位でも保護を追加。あわせてラック間の接地ボンディングも見直した。
2 工場PLCの逆流雷被害
STEP 1: 事象の切り分け
直撃雷の直後に複数機器が同時故障したことから、逆流雷(接地電位上昇による被害)の可能性を重視。
STEP 2: 接地状況の調査
建物の接地を測定したところ、避雷設備用の接地極とPLCが接続された制御盤の接地極が別系統で、電気的に十分接続されていないことが判明。
STEP 3: 根本原因の特定
落雷時、避雷設備側の接地極の電位が瞬間的に大きく上昇。制御盤側の接地は別系統のため電位差が生じ、その差がPLCの入出力回路を破壊した。
STEP 4: 対策
避雷設備・制御盤・電源系統の接地極を等電位ボンディングにより統合。加えてPLCのI/O信号線側にも適切なSPDを追加設置した。
3 病院の等電位ボンディング不備
STEP 1: 事象の切り分け
機器の破損ではなく「誤動作」にとどまっていたことから、小規模なノイズ・電位差レベルの影響(サージによる誤動作)を疑った。
STEP 2: 施設履歴の確認
当該検査室は増築部分にあり、新旧の建物で接地系統が完全に統合されていない可能性が浮上。
STEP 3: 根本原因の特定
増築時の接地工事が既存建物の接地系と十分にボンディングされておらず、雷サージ時に微小な電位差が生じ、精密機器の基準電位を乱していたことが判明。
STEP 4: 対策
新旧建物の接地系統を等電位ボンディングバー(EBB)で統合し、検査室内の医療機器周りにも局所的なボンディングを追加した。
4 戸建住宅への直撃雷
STEP 1: 事象の切り分け
アンテナへの直撃を目撃者が確認しており、直撃雷による被害と特定は容易だった。
STEP 2: 被害拡大の要因分析
アンテナから侵入した雷電流が同軸ケーブル経由でテレビを破壊、さらに屋内配線を経由して電源系統にもサージが伝播し、複数の家電が被害を受けた。
STEP 3: 根本原因の特定
一般的な戸建住宅では避雷針が設置されていないことが多く、本件も対策が皆無だったため、雷エネルギーがそのまま屋内配線網全体に伝播した。
STEP 4: 対策(再発防止)
分電盤にクラスII SPDを設置し、テレビ用のアンテナ線にも同軸ケーブル用SPDを追加。あわせてD種接地の接地抵抗を測定・改善した。
Module 6 小テスト
全モジュール完了後は